2019年1月31日木曜日

雪降る中で続く観測

気温も氷点下になってきました。
雪もちらついています。時折、吹雪のようになることも。
亜表層の海水温もマイナスの世界です。

ただ、風が弱いので海も穏やかで観測を続けることが出来ます。これが夏の南極海の良いところ!
暴風圏での観測は風とうねりとの闘いでしたが、気にせず毎日観測できる幸せな海です。

吹雪の中のCTD観測

底層水の化学トレーサーフロンの分析が続く

係留系に設置するRAS(自動採水器)の準備中


2019年1月30日水曜日

クジラが遊びに来た

10時、CTD05(64°57’S、65°12’E)到着。ガスがかかって視界が悪い。風速2m/s、湿度99.9%、気温-0.2度、水温0.2度。風がほとんど無いので寒さはあまり感じない。ゆったりと海面がたゆたっている。穏やかな南極の海が広がっています。

CTD観測中にクジラが遊びに来ました。ブリッジの見立てではイワシクジラらしい。

結構大きな3頭くらいのクジラがしばらく白鳳丸の右舷側でブローイングをしながらブラブラしていました。写真を撮るのがなかなか難しく、ブローしたあとしばらく潜って、次にどこに現れるのか動きを予想しながらシャッターチャンスを待つのですが、これがなかなか難しい。予想と違うところでブフォーとなること多々あり。

明後日の係留系設置に向けて準備作業も追い込み

イワシクジラ?のブロー

背びれはこんな感じ

2019年1月29日火曜日

CTD祭り絶賛開催中

南極ケープダンレー海域に近づき、本格的にCTD観測と採水、分析が始まりました。時間に追われるタイトな観測が続きます。

今シーズンはダンレー沖の海氷が少ない状況のようなので、南極大陸の陸棚上での観測が出来る絶好のチャンス。どこまで南下できるかわかりませんが、可能性のある観測を洗い出して観測点と測線を練り直しています。

南極海でのCTD採水

南極大陸棚での観測計画を練る

採水準備

化学トレーサー分析のための特別な採水


2019年1月28日月曜日

気温、水温ともに0度ちょっと

かなり南下してきました。南緯62度。

曇り空、というかキリがかかっています。気温、水温ともに0度ちょっと。北海道の方が寒いですね。

昨日は、時化予報のため観測をスキップしました。残念。
現在、南極ケープダンレー沖のCTD観測海域へ向かっています。今夜から怒濤のCTD祭りです。

航跡マップに南極大陸が出てきました

キリの南大洋

2019年1月27日日曜日

セジメントトラップ回収!!

3年前のKH-16-1次航海で設置したセジメントトラップの回収に成功しました!

航海計画の関係で3年後の回収となってしまいましたが、我々の船上からのコールに答えて日油技研工業の切り離し装置がきちんと仕事をしてくれ、無事4000m超の深海からトラップが浮上してきました。沈降粒子も問題なく捕集されていて、フラックスの季節変化が見事にとらえられています。これで一仕事できそう。

3年前、研究資金が不足していたので設置をあきらめかけていたところ、共同研究者らが数十万円ずつ研究費を提供してくれたおかげでトラップを整備することができ、ダメモトで3年間の係留にチャレンジしたのでした。回収できて本当に良かった。

浮上した係留系をブリッジから探す乗組員と研究者

目印はオレンジ色の旗と黄色のガラス玉

ちゃんとサンプルも採れています

3年後に戻ってきたセジメントトラップ

2019年1月26日土曜日

2019年1月25日金曜日

9年ぶりのドレッジ

コンラッドライズの名も無き海山で9年ぶりに岩石ドレッジにチャレンジ。佐藤さんの腕の見せ所です。見事、海底の断崖から岩石を採取しました。何が採れたか、お楽しみに!
テンション計の前に陣取ってワイヤー長と船速を微調整しながら海底の崖からサンプリングする佐藤博士

おもしろそうなサンプルが採れました!

2019年1月24日木曜日

暴風圏をものともせず

「吠える40度(roaring forties)」から「狂う50度(furious fifties)」のゾーンに入りました。が、まだまだ順調に観測中。

デルカノライズとコンラッドライズを結ぶラインで地球物理系の航走観測を実施。また、本航海初のCTD/CMSでの観測と採水を行い、航海後半での本格的CTD祭りに備えた予備観測も行いました。何種類もある分析項目に合わせて採水方法とボトルが異なるので、新人学生向けに採水方法のお作法の実技指導が行われています。

さらに、アルゴフロートを投入してから次の観測点へ向けて航走を開始。アルゴフロートは自動昇降型漂流ブイと呼ばれる観測機材で、まだまだ現場のデータが不足している南大洋での水温、塩分などのデータを蓄積するためにJAMSTECの研究者から依頼されたものです。海洋科学の基礎データの収集にも貢献しています。

コア班は昨日採ったピストンコアの帯磁率測定をスタート。どんなコアが採れているのか、ある程度目処が立つはずです。

特殊な採水方法の準備中
CTD投入
コアの帯磁率計測

2019年1月23日水曜日

ピントンコアをゲット!!

南緯46度、東経44度で反射法地震探査中です。IODPサイトの北から2地点目。天気はキリ、風速8m/s、気温10度、うねり高し。

昨晩、掘削候補地点でピストンコアを採取しました。風も強く波も高い厳しい海況でしたが、ギリギリのところでキャンセルすることなく実施しコアをゲット!!白い堆積物が詰まったコアが採れたはず。中身を確認するのは少し先になりますが超楽しみです。やっぱりモノが採れるとテンションが跳ね上がりますね。特にピストンは、ボースン以下甲板員のデッキでの活発な動きと、一か八か採れるか採れないかの大博打的な雰囲気がありありで、いい意味で航海中の一大イベントとなります。

しかも、3年前の航海では、同じような大きなうねりの中でのピストンコア採泥を2回続けて失敗した因縁の海域です。今回採ったコアで南大洋の古海洋研究が大きく進展する気配がします。白鳳丸船長・乗組員、観測支援スタッフ、乗船研究者に感謝です!

取れたてほやほやのコア(ただの塩ビパイプではない)
ピストンコア投入風景



2019年1月21日月曜日

サイスミック、なんとかスタート

ストリーマーケーブル投入中
エアガン発振
エアガンを見つめる人々

IODPプロポーザル918のサイトサーベイを開始しました。現在、デルカノライズの掘削予定点DCR-03Aにて反射法地震探査(通称サイスミック)を実施中です。いろいろトラブルはあったものの致命傷にはならず、無事サイスミックがスタートし、海底下の地質構造データを収録中です。

南緯43.5度、「吠える40度」と例えられることもありますが、今日は高気圧に覆われていて風も弱く時々晴れ間も見えています。

強い南風(向かい風)のためにココまでの移動に時間がかかってしまい、スケジュールは全体的に遅れ気味ではありますが、とりあえず最初のサイトサーベイはなんとか大丈夫そう。明日も晴れてくれ〜〜。


2019年1月20日日曜日

白鳳丸の食事

南緯40度、東経45度、南西インド洋海嶺を横断中。海嶺らしい海底地形がシービームで見えています。明日の昼頃には最初の反射法地震探査の観測海域に到着予定。

さて、本格的な観測が始まる前に腹ごしらえ、ということで、白鳳丸の食事について紹介しましょう。この航海は研究者27名、乗組員37名、計64名が乗船しています。これら乗船者の三度の飯を5人の司厨員が賄ってくれています。例えば今日のメニューは、、、、

朝:鯖味醂、納豆、漬物、しじみ汁、ご飯
昼:鶏骨付き腿、キンピラ、レバニラ炒め、サラダ、スープ、ご飯、デザート
夜:鰤塩焼き、長芋明太子和え、なすのさっぱり炒め、ビーフシチュー、ご飯

希望すれば食パンもあるし、夜中に働く人用に簡単な夜食もあります。

地球深部探査船ちきゅうやジョイデスレゾリューションなどの掘削船はビュッフェスタイルで複数のメニューから自分でチョイスするようになっていますが、白鳳丸はあえて言えば定食スタイルとでも言ったらよいでしょうか。船によって食事のメニューやスタイルも様々ですが、安心のニッポンの定食屋的な食事が毎日食べられます。しかも東大の共同利用から食事代が賄われているのです。共同利用システム万歳!

もう何度も乗っているので慣れましたが、船の食事時間は独特です。

朝:7時20分、昼:11時20分、夜:17時20分

昼と夜の食事が早いですね。ちょっと仕事したと思ったら、また「ピンポンパンポ〜〜ン」とチャイムが鳴ってメスルーム(食堂)に食事に行きます。運動不足もあってなかなかお腹もすきませんが、数日乗っているとちゃ〜んと17時前にはお腹がすいてくるようになって来るから不思議です。

ちなみに、乗組員の中のエライ人達(船長、機関長など)と研究者の中のエライ人達(主席、次席、班長など)はサロンと呼ばれる別室で食事をしています。普段はたわいない話をしながらの食事ですが、船長と主席の間で観測内容や海況など重要な情報交換がなされたりする場にもなっているのです。

強い南風をうけてピッチング中

今日の夕食

2019年1月19日土曜日

揺れる白鳳丸

まだまだいわゆる暴風圏には到達していないものの、強い向かい風で白鳳丸はそれなりに揺れています。空はずっと曇り空、気温も20度位まで下がってきました。

船内では観測準備が続いています。

17日昼にモーリシャス、フランスのEEZを抜けてから、地球物理系の航走観測と研究用海水のサンプリングが始まっています。フリーマントル帰港前日まで24時間体制での観測が続くので、学生達は4時間ワッチ体制に入りました。0時〜4時(ゼロヨン)、4時〜8時(ヨンパー)、8時〜12時(パーゼロ)の3グループに2人ずつ学生が入り、例えばゼロヨンの2人は夜中の0時から4時までと、昼の12時から16時までがワーキングタイムとなるわけです。ワッチの彼等が航走観測(磁力計や重力計など)の定時チェックや様々な観測をサポートする縁の下の力持ちとなるのです。

最初の観測地点に着くまでは、19時からセミナーをやっています。17日の晩は、最初の観測となる反射法地震探査とIODPプロポーザルについて主席から紹介をしました。ビール片手にScience Pubです。


2019年1月18日金曜日

観測準備

良い天気が続いています。現在、最初の反射法地震探査の測線に向けて南下中です。南緯28度、東経52度、気温26度。

昨日は船内各所で終日観測準備が続きました。後部甲板では反射法地震探査に使うエアガンの準備が炎天下で続きました。真冬の日本から来た我々にはちとツライ。右舷側では、係留系に使うガラス玉の組み立て作業を北大グループが進めています。CTDの二スキン採水ボトルの洗浄も。これもまた体力勝負。


初めて乗船した学生達もそれぞれの部署で頑張って働いています。

前回3年前の航海ではどこまでネット通信が出来ていたのか忘れましたが、まだ通信できています。今回はいつまでブログ更新ができるだろうか。。。。

青い海と空が広がる

エアガン

反射法地震探査システムの準備中

こちらは採水ボトルの洗浄、奥ではガラス玉の準備

2019年1月16日水曜日

ポートルイス出港

14時、ポートルイス港を出港し、約1ヶ月間の南極航海がスタートしました。


壮行会@新喜宴

白鳳丸KH-19-1次航海レグ2の乗船者も14日夜にポートルイス入りして、総勢27名の研究者と観測支援スタッフが勢揃いしました。

出港前日(15日)は終日フリー。それぞれ英気を養うべく行動。街へ繰り出す人もいれば、船内で仕事をする人も。

夜は、すでにおなじみ中華街の「新喜宴」で壮行会。

明日午後、南大洋へ向けて出港します。

ポートルイスの活気あふれるマーケット。

全員集合

壮行会

2019年1月13日日曜日

China Town Deli 新喜宴

モーリシャスのポートルイス港に寄港中。

白鳳丸は市街から少し離れた岸壁に停泊してるので、3年前と同様にSanpanと呼ばれる小型ボートで街まで移動します。

夕食はいきつけの中華レストランの支店へ。港から少し歩いたところの中華街にある「新喜宴」というお店です。ポートルイスで毎回訪れる本店とほぼ同じメニューで、これまでに蓄積した極秘情報を駆使して次々とオーダー。おいしい中華を堪能しました。

本店、支店ともにメニューはフランス語と中国語のみ、写真無し。過去に何度も寄港した白鳳丸に乗っていたAORI技術スタッフと研究者達のたゆまぬ努力と探究心によって、料理の写真とそのランク(星)、コメントが蓄積されています。まず頼んだ五つ星料理は確かにうまかった。まだ星がついていない未知の料理も頼んでみたけれど、それなりにうまかった。潰れる中華屋もあるらしい中、拡大路線をとるだけの腕はあるようだ。

ポートルイスの街と火山島らしい山々。オレンジ色のボートがSanpan。

新喜宴での夕食。運ばれてきた料理は必ず写真に収め、星を付けていく。継続は力なり。

白鳳丸と三日月。

暴風圏予報

モーリシャス・ポートルイス港にもうすぐ寄港します。

白鳳丸船内では、陸から送られてくる波浪予想図が毎日更新されています。我々の最初の観測海域はマダガスカルの南方、南緯45度から60度のいわゆる暴風圏です。デルカノライズとコンラッドライズという海底の高まりがあって、そこがターゲット。さて、今日の波浪予想はと言うと。。。。。

絶望的です。

赤は波高7mゾーン。いま現場海域にいても何もできずに暴風圏から逃げるしかないでしょうね。

この巨大な目玉のような暴風ゾーンが周期的に西から東へ抜けていくのです。目玉と目玉の間を縫ってなんとか観測が出来ないかと祈るばかり。これだけは自分の力ではなんともならないので、運を天に任せるしかありません。



2019年1月12日土曜日

モーリシャス視認

モーリシャスが見えてきました。気温28℃。暑い。

ポートルイスの沖合いに停泊していて、明日の寄港を待っています。

船内では、南大洋での観測に備えてエアガンを組み立てました。 圧縮空気を使って海中で音を発信し、その音波を使って海底下の地質構造を調べるための機材です。

モーリシャス島

技術スタッフの指導の下、院生達も組み立て作業に従事。

2019年1月11日金曜日

洋上セミナー

モーリシャスのEEZに入ったので、海底地形探査や海水サンプリングも一旦終了。

レグ1に乗船している研究者が交代で洋上セミナーをやってきました。南大洋の研究のこと、修論の途中経過などをそれぞれが発表。いくつかの大学から乗ってきた修士1年の院生が多いのですが、洋上セミナーを通じてそれぞれの研究のバックグランドや得意分野がわかってきました。

2019年1月10日木曜日

インド洋の夕景



日没を迎える19時過ぎになると、カメラ片手に何人かがアッパーデッキに上がってきます。天気が良い日が続くので、大海原の夕焼けとグリーンフラッシュを狙っているのです。

私もここ数日、カメラ(ともちろんビール)を持って上がっていって、夕焼けを撮ってみました。

昨日は甲板部の乗組員もいたので撮った写真を見せてもらいましたが、同じカメラを使っていながらめちゃくちゃキレイな写真を何枚も撮っていたのに愕然。機能を使いこなしているかいないかの差は大きいことを実感しました。

モーリシャスが近づいて、気温も水温も上昇中。日差しも強い。

2019年1月7日月曜日

なが〜い〜夜

今夜は長い夜になりそうだ。というか実際に1時間長い。
現在モーリシャスに向けて西進しているので、タイムゾーンをいくつか横断していきます。船内の時間帯もそれに合わせて調整するのですが、「今日の21時に船内時間を1時間戻す」ことになっています。21時が20時になるのです。日本との時差はだんだん大きくなって4時間となりますね。

実験室や居室の時計は集中制御されているので自動的に時刻調整されます。21時になると分針がぐるっと一周して1時間戻ってしまうのです。20数年前に初めて白鳳丸に乗ったときは、この時刻調整がなんか不思議で面白かったですね。

さて、松山千春風にいけば「なが〜い〜夜を〜〜」どう使うか、仕事をするか、ゲーム三昧か、たっぷり寝るか、たっぷり飲むか。。。。
自動で時刻調整してくれる良い時計@主席部屋

主席部屋の寝室のもう一つの時計、こっちは自動調整してくれない。手動で調整して!って小さく書いてあるが、動かせないのでそのまま。部屋内に時差あり。面倒くさい。

2019年1月6日日曜日

観測してます

出港して5日目、順調に航行中です。

豪州EEZを抜けてから航走観測をスタートしました。シービームによる海底地形調査とサブボトムプロファイラーによる地層探査を継続中です。

また、研究室では表面海水(研究用海水)のサンプリングも始まりました。そう、白鳳丸のような研究船では蛇口をひねると海水が出てくるのです。おかげで停船することなく、現場の海水をサンプリングすることができます。海水はもちろんサンプリングしますし、特製プランクトンネットを使った動植物プランクトンの採集、海水中の懸濁態有機物(POM)のフィルター濾過などが院生中心に行われています。

主席研究員はというと、、、、モーリシャス出港後の南大洋航海の観測スケジュールを船側とも相談しながら編成中です。天候のことは脇に置いておいて、100%時間を有効に使った理想プランをまずは編成します。それでもやりたい観測を全て盛り込むことは出来ませんので、優先度や分野バランスなども考えつつベストプランを作ります。実際には、暴風圏で100%の観測は出来ないはずなので、何をスキップしてどこへ移動するかなど、いろんなパターンを想定してバックアッププランもいくつも作らなければなりません。

それから、持ち込んだGoPro Fusionの使い方を南大洋に入るまでにマスターしておかなければと思って、試行錯誤しております。アプリの使い方がまだよく分からない。。。。
研究用海水のサンプリング

GoProで加工してみたアッパーデッキからの風景