2019年2月10日日曜日

ハレナシ

連日洋上セミナーを開催中。今航海の成果速報や過去の航海で得た試料を使った研究紹介が行われています。

晴れてはいないが、穏やかな海が広がる南インド洋
南緯38度、東経110度、気温15度、水温15度、風速11m/s、曇り空、晴れ間無し

午前中数時間だけ雲間から日差しが降り注ぎ、皆が、今日は久しぶりにおひさまが出てるね、と言いたくなるような穏やかな海になりそうだった。だが、また曇り空です。

確かに、今航海はず〜〜っと曇り空か雨か雪で、スカッと晴れたのは南極大陸を遠望できたほんの数時間だけだったなあ。あれはホントに何かのご褒美だったんだなあ、と思います。

でもまあ、曇り空でも良いのです。行き帰りの暴風圏も巨大な暴風目玉の隙間をスルリスルリとすり抜けて、大時化に遭遇することなく、無事フリーマントル港まで予定通り戻ることができそうです。

毎日の波浪予想図に船位をつけたパラパラマンガをパワーポイントで作っていますが、1ヶ月分をパラパラ見返してみると、これがまた、暴風目玉をなんとまあ上手にかわしながら続けて観測して、またさらに目玉をかわしながらここまで北上してきた様子がよく分かります。これ、全てが運とタイミングによるものなのですが、過去3回の南大洋航海も同じ感じだったので、我ながら「あっぱれ!!」を贈りたい気分。

これを読んでいる方々の中には、暴風圏ってたいしたことないんじゃないの?と思っている御仁もいるかもしれませんが、暴風圏はやっぱり暴風圏なのです。私が最初に白鳳丸で南極海の調査に参加した1994-95年のKH-94-4次航海では、ニュージーランドを出港して1週間弱、全く何の観測も出来ず、ただただ暴風に翻弄されているだけだったことがありました。今思えば、例の暴風目玉に接近遭遇してコテンパンにやられていたのでしょう。そのときは厨房も機能不全に陥り、食事がおにぎりだけだったこともありました。まあ、研究者はほとんど船酔いでグロッキーで食堂に下りてくる人もまばらでしたけど。

さて、来年度の世界一周航海はどうなるでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿